診療のご案内MEDICAL

舌下免疫療法(スギ・ダニ)

スギ花粉症やダニによる
アレルギー性鼻炎の根本治療

スギ花粉症またはダニによる通年性アレルギー性鼻炎でお困りの方にお勧めしたい治療があります。根治あるいは症状の改善が期待できる「舌下免疫療法」という治療です。

3-5年間の治療期間が必要ですが、それが可能と思われる方は、是非ご相談ください。治療費や治療の効果(症状の改善される割合)など詳細は下記をご覧ください。

アレルゲン免疫療法とは

以前は減感作療法とよばれていました。1911年に花粉エキスを用いての報告以来、長い歴史を有する治療法です。
アレルギーの原因となる物質であるアレルゲン(治療専用の注射薬あるいは内服薬)を、安全性を確認しながら少量から投与していきます。投与量を徐々に増やし、時間をかけてアレルギー体質を根本的に治していきます
症状を抑えるだけの通常のお薬とは全く異なります。アレルギーの根治あるいは症状の改善が期待できる特別な治療です

皮下免疫療法

2014年までに日本で認可されていた免疫療法は注射による皮下免疫療法のみでした。
効果的な治療であることは認識されていましたが、大学病院など限られた施設でしか行われておらず、頻回な通院が必要で、治療を受けることの出来る方が限られていたのが実状でした。また注射の強い痛みも問題点でありました。


舌下免疫療法

注射による免疫療法の欠点を改善した新しい治療法で、皮下免疫療法とほぼ同等の治療効果が期待できます。
2014年よりスギ花粉症に対する舌下免疫療法薬,2015年よりダニによるアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法薬がそれぞれ製造販売承認されました。

スギ花粉症とダニアレルギーの両方をお持ちの方も多くおられます。
その場合、スギ花粉とダニの舌下免疫療法を同時に行うことを望まれる方もおられると思いますが、どちらか一方のみの治療を開始し、副反応が消失した状態であれば、他方の治療を併せて開始することが可能です。

  • 治療には健康保険が適応されます。
    (自費診療ではございません。)
  • 重症度に関係なくご希望により治療できます。
    (軽症の方も治療の対象になります。)
  • 初回治療以外は自宅で服用可能で、
    維持量になれば月1回の通院だけで大丈夫です。

舌下免疫療法について

治療方法

治療薬を舌下(舌の裏)に含みます。
1分間そのまま保持し、その後に飲み込みます。
飲み込んだあとの5分間は、うがいや飲食を控えます。この治療を1日1回行います。

注射による治療とは異なり、痛みもなく自宅で服用でき、
維持量となり症状が安定されていれば月1回の通院で治療が可能です。

治療期間

最低3年間、出来れば5年間の治療が望まれます。
短期間で治療を終了すると、治療終了後の効果が持続しません。
また、十分な期間の治療を終了しても、何年も経過すると症状が再発することがあります。
その場合には、再度1~2年間の舌下免疫療法を行うと、効果が元に戻ります。

治療の効果

根治する方は約20%です。
著明改善を自覚される方は約30%、改善を自覚される方は約30%
の割合です。
残念ながら治療が無効な方も20%程度おられます。
皆様が根治するわけではなく、症状を減らすことも大きな目標とご理解ください。

舌下免疫療法の注意点

適応の年齢

当院では、概ね6歳以上を適応としています。
複数のガイドラインが免疫療法の年齢下限を5-6歳としています。欧州アレルギー・臨床免疫学会議(European Academy of Allergy and Clinical Immunology, EAACI) の見解書では、0~2歳児への免疫療法は「not a treatment option(絶対的禁忌)」、3~5歳児は「a relative contraindication(相対的禁忌)」とされており、それ以上では「No(禁忌なし)」とされています。
低年齢児では治療の協力が得られにくく、副反応の初期症状を訴えにくいことが大きな問題点です。また、低年齢児での有効性についての検討が不十分であることなどの点も踏まえて、当院では5歳以下のお子様には行っておりません。

治療できない方

  • 非選択的β遮断薬(βブロッカー)・三環系抗うつ薬・モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)を服用中の方
  • 治療開始時に妊娠されている方
  • 授乳中の方
  • 不安定な喘息を患われている方
  • ステロイド薬や免疫抑制剤を使用中の方
  • 以下のご病気を患われている方
    • 悪性腫瘍
    • 自己免疫疾患
    • 免疫不全症
    • 重い心臓の病気・肺の病気・
      コントロールの悪い高血圧症
    • 慢性感染症

治療の副反応

局所反応

軽症なことがほとんどですが、高頻度に出現します。

  • 口内のかゆみ・腫れ
  • 唇の腫れ
  • のどの刺激感
全身反応
  • 鼻炎症状・結膜炎症状
  • 皮膚の症状(じんましん・皮膚のかゆみ・赤み)
  • 呼吸器の症状(咳・息苦しさ・異常な呼吸音)
  • 消化器の症状(腹痛・吐き気・嘔吐・下痢)
  • 頭痛

副反応の程度によってはそれに対する緊急治療が必要となります。
重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりもはるかに安全です。
軽い副反応は、決して怖いものではありません。
よく理解していただければ、安全に行える治療です。

治療費

他の治療や薬の処方がない場合には、クリニックでの治療費と薬局での薬代と合わせて下記ご負担額となります。
お子様に関しては、こども医療費の助成が受けられます。

スギ花粉症の方

1ヵ月あたり 約 2,500円

※医療費の自己負担3割の場合

ダニアレルギーの方

1ヵ月あたり 約 2,900円

※医療費の自己負担3割の場合

スギ花粉症+ダニアレルギーの同時治療の方

1ヵ月あたり 約 4,200円

※医療費の自己負担3割の場合

治療の実際

スギ花粉症の舌下免疫療法

治療開始時期

治療開始は6月~11月中旬までが推奨されます。遅くとも12月末までの開始が必要です。
治療開始前に診察および舌下免疫療法を始めるにあたっての検査と説明が必要となります。

治療の効果判定時期

治療開始後2シーズン目のスギ花粉飛散時期の効果で検討し
そこで効果のある方には合計4~5年間の治療を勧めています。


ダニ(ハウスダスト)の舌下免疫療法

“ハウスダスト”に含まれる成分の大半(98%以上)が“ダニ”です。ごく一部に、カビ・昆虫などが含まれます。
要するにハウスダストアレルギーの主原因はダニアレルギーであり、ダニとハウスダストはほぼ同一と考えてよいものです。

1年中続く鼻炎症状はダニアレルギーが原因となっている可能性が高く、ダニの舌下免疫療法にて症状の改善か期待できます。

治療開始時期

治療は、基本的にはいつからでも開始できます。
スギ花粉症を合併している方は、スギ花粉の飛散期を避けて治療を開始する必要があります。スギ花粉症の症状が無い方でも、アレルギー検査をすると発症していない予備軍の方が多くおられます。
検査でスギ花粉症の可能性がないと判断できれば、いつからでも開始できます。

治療開始前に

診察および舌下免疫療法を始めるにあたっての検査と説明が必要となります。
治療の効果判定時期は、効果がでるまでに最低でも数ヵ月必要で、開始後1年以上かけて効果が高まっていくと考えられます。
1〜2年間での効果を確認し、そこで効果のある方には合計4~5年間の治療を勧めています。